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80 2009年1月18日

オーディオ熱(2):音楽データベースプレーヤーiTunes

 


最初、iPod/iTunesのことを知った時の私の態度は冷たかった。
だいたい私はヘッドフォンが苦手なのである。
大学入学当初、下宿先でおとなしくStaxのヘッドフォンで聞いていた。
これが蒸れるのである。耳が痛くなるのである。

たまらんかった。

早々にアパートを見つけて引越し、いそいそとスピーカーを買いに出かけたのであった。

それ以後、WalkmanやDiskmanを使ってはいたが、それは通勤用の車にシガーソケットから電源をとってSonyのアクティブ・スピーカーを鳴らす、その音源用だった。決してWalkmanやDiskmanをヘッドフォンで携帯はしなかった。(もちろん、通勤に電車を使う生活をしていたら私もWalkmanでヘッドフォンしていたのではあろうけれど。)

今では生活の場と仕事の場が、徒歩20秒ぐらいであるからにして、必要ないのである。

休日のドライブでiPodをカーステに繋げると便利かも、と思うことはあるにはあるのだが、車にいるときは、NHKラジオ第一放送が定番。

ということで、iPod/iTunesは「ふ〜ん」で終わっていたのであった。



 ♪   ♪   ♪



ひょっとして、iTunesはいいかも、と思ったのは、相互リンクを貼らせていただいている、iGalleryの<音楽>の研究を読んだ時であった。
要点を引用させていただくと


iTunes+iPodの流儀は、楽曲をデータベースとして扱います。
これはかなり画期的なことではないでしょうか。
音楽の聴き方としては、Walkman以来の変革ではないでしょうか。
そして、その変革を担ったのはハードウェアではなくソフトウェアだということも時代の流れです。
                                       第六十八回 <音楽>の研究(4)



「楽曲をデータベースとして扱う」とは:



例えば、久しぶりに It's A Beautiful Dayの"Marrying Maiden"を聞きたくなったとします。やけにマイナーなアルバムですいません。整理整頓の鬼のような方なら、すすっと所定の棚に進んで、ざっと見渡し、発見。おもむろにCDプレイヤーのトレイに置き再生がはじまるでしょう。

しかし、ですね。"Marrying Maiden"、手放す気もないがそれほど愛聴しているわけでもなく、棚の特等席には限りがあって、収納の関係上、別室のCD棚のどこかにあるかもしれません。まあその程度なら10分ぐらいで発見できるかもしれませんが、もし、ダンボールの箱につめて押入れの隅で眠っていたりすると・・・・・。

iTunesではこうなります。
まず、「アルバム」の窓の中にカーソルを持っていってクリックします。



キーボードで「 marrying 」とタイプします。





「アルバム」の「 Marrying Maiden 」の上でダブルクリック。
"Don and Dewey"が再生されます。(アルバムジャケットは私が持っているのと違ったりしますが)


iTunesが管理する全1898アルバムが、一瞬にして検索できます。 アルバム名を覚えていれば、ですが。

 

「ジャンル」「アーティスト」「アルバム」の窓がない・・・・という方は
   というヒントが出現する  ここをクリック。



 ♪   ♪   ♪




発作的に、一節太郎の『浪曲子守唄』を聞きたくなったとします。自分の持っているコレクションなら「小学館 昭和の歌511」に収録されているのは分かっています。ところがこの「昭和の歌」レコード会社別・編年体での編集です。さて、はて。全27枚のCDのうち、『浪曲子守唄』は何枚目に収録されてるのでしょうか?

iTunesなら、まず、すべて「すべて」が表示されている状態に戻します。
「名前」の上でクリックします。これですべての楽曲が名前順に並べ替えられます。





日本語入力状態にして「浪曲」と入力します。



デスクトップの左上で日本語変換が実行されます。(少しスマートさに欠けますが・・・)(注:この日本語による指定はiTunesのバージョンによっては不可)
Enter。




「浪曲」で始まる楽曲のところまで飛びますので、あとは『浪曲子守唄』の上でダブルクリックすると〜「逃〜げ〜たあ女房にゃ未練はないが〜」です。
(通常の使い方に戻るときには、「トラック番号」をクリックし、名前順からトラック順に曲順を戻すのがよいでしょう)

iTunesが管理する全38,978曲から、聴きたい曲を一瞬に呼び出せます。名前を覚えていれば、ですが。


(日本語での検索は、もちろん、アーチスト名、アルバム名でも可能です。iTunesのバージョンによっては日本語検索不可のものがあります・・・具体的ヴァージョン名はメモしていなかったので不明です。7になった当初だったような曖昧な記憶があります。)




 ♪   ♪   ♪




iTuensに、不満がないわけではありません。

データベースとは「○○を含む」あるいは「××を含む」などと、さまざまな条件で検索かけられるものです。
こちらの希望としては、例えば「作曲者」の上で右クリックすると、検索用のダイアログボックスが出現して欲しいのですが、それは無理です。。。

iTunesで高度な検索をする場合は:

「ファイル」をクリックし、「新規スマートプレイリストを作成」



細野晴臣が歌謡曲シンガーに提供した曲を検索しようと、以下のように設定してみました。



「OK」し、プレイリストの名前をつけて出来上がり。「細野晴臣提供曲」としました。

この検索指定では「AかつB  あるいは CかつD」などといった細かい指定はできません・・・・・それほどニーズがないからサポートしない?

あっちゃ、はっぴいえんどを除外するのを忘れていたがや。
修正する場合は、「細野晴臣提供曲」の上で右クリック、「スマートプレイリストを編集」で再編集が出来ます。

なお「ライブ アップデート」にチェックが入っていると、プレイリストから曲を削除できません。
今回は、同じ曲がだいぶだぶっているのでチェックを外し、不要な曲を削除しました。

こんな感じ:





ただし、これは楽曲の情報が正しく記載されていなければ駄目です。小泉今日子の「は・じ・め・て」も細野の曲なんですが、作曲者情報未記載のためリストに挙がってきません。(あたりまえですが)
また、「スマートプレイリスト」はどうも曲順の指定は出来ないようで・・・・。


 ♪   ♪   ♪




リストを手作業で作る。

"Careless Love"は私の偏愛する曲で、Ronnie Laneからディック・ミネまで色んな人が歌っています。それを登録していこう、と。

「ファイル」→「新規プレイリスト」



名前をつけます。つけ終わったら名前の上で右クリック→「開く」と別ウィンドウが開きますんで。ドラッグ&ドロップします。




以下手作業で選曲、リストに追加、削除、曲順変更(ドラッグ&ドロップで可能)できます。(この例だと、一度スマートリストで検索して、それをプレイリストにドラッグ&ドロップした方が早いですが)





こんな感じです。まだ11曲だ、もっと精進せねば。Mills Brothersも歌ってんだそうだ。

(なお、iTunesの曲をCDに焼こうとすると、まずこのプレイリストを作らなければ焼けません。)



 ♪   ♪   ♪




ま、実際は、わたしはほとんどプレイリストは作成していません。最初面白くても、めんどくさくなったりして。(iPod使用者には便利かも)


それ以上に気に入っている機能が、「パーティシャッフル」です。


これはiTunesに登録されている全ての曲から、ランダムに演奏するというだけの機能です。

しかし、ですね。これが面白い。







早押しクイズに出たら優勝するかもと思えるような反応速度で一瞬で分かる曲もあれば、アーティスト・曲名ともに知っているのだが名前がでてこない、とか。中には、分からない曲もあります。というより多いです。多すぎます。誰だろうとクレジットを見て、それが好きなアーチストだったりすると堪えます。

続けて聞けば途中であきるようなコンピレ収録曲でも、シャッフルされれば興味深く聞けますし。いいですよ。

 (iTunesのバージョンによっては「これから再生される曲」を0にすると、次の曲に移らずに停止するのがあります。)



 ♪   ♪   ♪




iTunesで音楽を流しながら、ネットサーフィンしてたりします。その場合、音楽付きのサイトに出会うと・・・・二重に音がして、うるさいです。
Vistaならプログラムごとに音量調整ができるので、ブラウザを消音すればいいのですが、XPなどの場合では

Internet Explorerの場合、「ツール」→「インターネットオプション」→「詳細設定」



「Webページのサウンドを再生する」あたりのチェックを外しておけばよろしいかと。



 ♪   ♪   ♪




音楽に没頭するとき、モニターの電源を落として、真っ暗にするのも良いです。

曲を飛ばしたいときは、「→」(右向きのカーソルキー)を押すと次の曲に進みます。わざわざモニターの電源入れてマウス使う必要はありません。
(iTunesをアクティブに(ディスクトップの最前面に表示)しておかないと、機能しません)

他にも、あまり使わないと思いますが、スペースキーで、ポーズ/ポーズ解除、Enterで同じ曲を頭から再び再生が出来ます。

アルバムが終了し、他のアルバムを聞きたいときは、モニターをつけて、マウスでどうぞ。





 ♪   ♪   ♪





さて、iTunesに大いなる可能性を感じたとしても、オーディオ好きが飛びつくのを躊躇させる要素も残るのであった。

まず、CDのコレクションが多ければおおいほど、パソコンに取り込む時間も膨大なものとなる、がしかし、これは致し方のないことである。

もう、一つ。


 



スタンダードな音源出力は、ステレオ・ミニジャックなのである。(ジャック:メス、凹の方。)
しかも、なんともはやなことにヘッドフォンと共通。オーディオ好きを尻込みさせるのに十分なのであった。





こいつが、ステレオ・ミニプラグ。プラグはオス、凸の方。

ということで、次回は、パソコンからオーディオ出力をとるそのさまざまな方法について解説するつもりである。


 

 

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