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78 2007年7月1日

新定率法用エクセル関数を作る

先日「弥生会計」の会社から、電話がかかってきて、「弥生会計はお使いでしょうか」「はい」「今回、減価償却が改定になり、それに対応した弥生のパンフレットを・・・」「セールスの電話はせんでください(がちゃ)」

とまあ、愛想も何もない対応でした。

次の日ぐらいにそのパンフレットが到着。

製品バージョンアップのみ¥84,000円のところ、2007年8月末日までキャンペーン価格の¥27,930円也のお値段でした。

前MS-DOSの話をした時にはDOS版弥生会計を使っていまして、その時、減価償却はエクセルで固定資産台帳を作っていました。今では「弥生05」で、弥生の固定資産台帳も使っていますが、旧来のエクセルの台帳も使っていたりします。

2万7千930円かあ。。。エクセルでどうにかなるでしょ。

ということで調べたんですが、定額法は旧定額法とくらべてとってもすっきりしました。簡単です。

問題は定率法。

あ、今回は個人事業主・小企業の経理担当者向けです。経理しない人には、おもしろくもなんともないです。(エクセルで自作関数とか作りたい方は参考にして下さい。)

話元に戻して、新しい減価償却制度の説明は国税庁のページにある、以下のpdf文書を参照下さい。

法人の 減価償却 制度の改正のあらまし

(法人も個人も基本的に同じはずですが、個人の減価償却制度の改正について(情報)というのもありました。 )

新しい定額法、定率法の償却率は財務省の

減価償却資産の耐用年数等に関する省令 (別表第十)

で分かります。(個人の減価償却制度の改正について(情報)にも記載されていました。)

簡単な新定額法は省略して、新定率法。

 

新たな定率法は、減価償却資産の取得価額に、その償却費が毎年一定の割合で逓減する
ように当該資産の耐用年数に応じた「定率法の償却率」(耐用年数省令別表第十に規定)を
乗じて計算した金額(調整前償却額)を事業供用1 年目の償却限度額として償却を行い、
2年目以後は、当該資産の期首帳簿価額(取得価額から既にした償却費の累積額を控除し
た後の金額)に「定率法の償却率」を乗じて計算した金額(調整前償却額)を各事業年度
の償却限度額として償却を行います。

○ 定率法の償却限度額の計算式〔(調整前償却額)≧(償却保証額)の場合〕

(定率法の償却限度額)=(期首帳簿価額)×(耐用年数省令別表第十の「定率法の償却率」)

その後、各事業年度の「調整前償却額」が、当該減価償却資産の取得価額に「保証率」
(耐用年数省令別表第十に規定)を乗じて計算した金額である「償却保証額」に満たない
場合は、原則として、その最初に満たないこととなる事業年度の期首帳簿価額(取得価額
から既にした償却費の累積額を控除した後の金額)である改定取得価額に、その償却費が
その後毎年同一となるように当該資産の耐用年数に応じた「改定償却率」(耐用年数省令別
表第十に規定)を乗じて計算した金額を、各事業年度の償却限度額として償却を行います
(令48 の2@二)。

○ 定率法の償却限度額の計算式〔(調整前償却額)<(償却保証額)の場合〕
(定率法の償却限度額)=(改定取得価額)×(耐用年数省令別表第十の「改定償却率」)


「法人の減価償却制度の改正のあらまし」からの引用ですが、難解です。 分け分からんなりにやってみたら、やっぱり誤解していました。

正しい理解の仕方をまとめます。

 

1年目は旧来と同じ。(償却率が変わるだけ)

1年目の償却額=取得価額×償却率÷12×事業の用に供した月数

2年目以降

償却保証額=取得価額×保証率を計算する。この償却保証額は以後不変。

調整前償却額=期首帳簿価額×償却率を計算する。

償却保証額と調整前償却額とを較べる。

a) 調整前償却額 ≧ 償却保証額 の場合

調整前償却額を採用する

b) 調整前償却額 < 償却保証額 の場合

改定取得価額×改定償却率を計算し、こちらを採用する。

*初めてb)の場合になった年度の期首帳簿価額を「改定取得価額」とし、この「改定取得価額」を来期も使用する。

 

私が誤解していたのは

はじめて 調整前償却額 < 償却保証額となった年度の期首帳簿価額を「改定取得価額」とし、この「改定取得価額」を以後使い続ける

ってとこですね。

エクセルで扱いにくいのは、「改定取得価額を使い続ける」ってとこです。

ええ、調整前償却額 < 償却保証額 になった年度に、改定取得価額の欄にその年度の期首帳簿価額を「手作業で」記入すればいいだけの・・・ってそんな面倒なことしたくない!!!

 

♪   ♪   ♪   ♪

 

ということで、「手作業で記入」するのが面倒だから、エクセルで「改定取得価額」を返す自作関数をつくって、それに計算させましょう。
(「返す」というのはプログラム用語で「答えを出す」ぐらいの意味です。)

あ、エクセルにも「財務関数」が付属しているんですが、果たして今回の減価償却の改正に使えるものかどうか検証する手間を考えたら、自分で作ったほうがよろしいかと・・・VBAの勉強にもなりますし。ということで無視、です。

エクセルは結構使うんだが、マクロやVBAは触ったことがない、という人の為に多少の解説をします。(Excel2002の場合です)

エクセルを起動し、「ツール」→「マクロ」→Visual Basic Editorを起動。(セキュリティのレベルを高以外に設定しときます)

「挿入」→「標準モジュール」をクリック。Module1というのが作成されます。

そこに「function 定率償却率(耐用年数 as byte) as currency」とタイプしてEnter

Function 定率償却率(耐用年数 As Byte) As Currency

End Function

と整形されるはずです。Function と End Function の間にプログラムを記述していきます。
練習してみたいかたは

Function 定率償却率(耐用年数 As Byte) As Currency

定率償却率 = 耐用年数

End Function

とでもしてみてください。これで、「定率償却率」という名前の自作関数が完成しました。呼び出し方はエクセル付属の関数と同じです。(分類はユーザ定義)となります。


定率償却率 = 耐用年数 というプログラム(?)なので、耐用年数で指定したセルのデータが表示されるだけです。

実用的なプログラムは以下のようになります。

 

Function 定率償却率(耐用年数 As Byte) As Currency

Select Case 耐用年数

Case 2: 定率償却率 = 1#
Case 3: 定率償却率 = 0.833
Case 4: 定率償却率 = 0.625
Case 5: 定率償却率 = 0.5
Case 6: 定率償却率 = 0.417
Case 7: 定率償却率 = 0.357
Case 8: 定率償却率 = 0.313
Case 9: 定率償却率 = 0.278
Case 10: 定率償却率 = 0.25
Case 11: 定率償却率 = 0.227
Case 12: 定率償却率 = 0.208
Case 13: 定率償却率 = 0.192
Case 14: 定率償却率 = 0.179
Case 15: 定率償却率 = 0.167
Case 16: 定率償却率 = 0.157
Case 17: 定率償却率 = 0.147
Case 18: 定率償却率 = 0.139
Case 19: 定率償却率 = 0.132
Case 20: 定率償却率 = 0.125
Case 21: 定率償却率 = 0.119
Case 22: 定率償却率 = 0.114
Case 23: 定率償却率 = 0.109
Case 24: 定率償却率 = 0.104
Case 25: 定率償却率 = 0.1
Case 26: 定率償却率 = 0.096
Case 27: 定率償却率 = 0.093
Case 28: 定率償却率 = 0.089
Case 29: 定率償却率 = 0.086
Case 30: 定率償却率 = 0.083
Case 31: 定率償却率 = 0.081
Case 32: 定率償却率 = 0.078
Case 33: 定率償却率 = 0.076
Case 34: 定率償却率 = 0.074
Case 35: 定率償却率 = 0.071
Case 36: 定率償却率 = 0.069
Case 37: 定率償却率 = 0.068
Case 38: 定率償却率 = 0.066
Case 39: 定率償却率 = 0.064
Case 40: 定率償却率 = 0.063
Case 41: 定率償却率 = 0.061
Case 42: 定率償却率 = 0.06
Case 43: 定率償却率 = 0.058
Case 44: 定率償却率 = 0.057
Case 45: 定率償却率 = 0.056
Case 46: 定率償却率 = 0.054
Case 47: 定率償却率 = 0.053
Case 48: 定率償却率 = 0.052
Case 49: 定率償却率 = 0.051
Case 50: 定率償却率 = 0.05
Case 51: 定率償却率 = 0.049
Case 52: 定率償却率 = 0.048
Case 53: 定率償却率 = 0.047
Case 54: 定率償却率 = 0.046
Case 55: 定率償却率 = 0.045
Case 56: 定率償却率 = 0.045
Case 57: 定率償却率 = 0.044
Case 58: 定率償却率 = 0.043
Case 59: 定率償却率 = 0.042
Case 60: 定率償却率 = 0.042
Case 61: 定率償却率 = 0.041
Case 62: 定率償却率 = 0.04
Case 63: 定率償却率 = 0.04
Case 64: 定率償却率 = 0.039
Case 65: 定率償却率 = 0.038
Case 66: 定率償却率 = 0.038
Case 67: 定率償却率 = 0.037
Case 68: 定率償却率 = 0.037
Case 69: 定率償却率 = 0.036
Case 70: 定率償却率 = 0.036
Case 71: 定率償却率 = 0.035
Case 72: 定率償却率 = 0.035
Case 73: 定率償却率 = 0.034
Case 74: 定率償却率 = 0.034
Case 75: 定率償却率 = 0.033
Case 76: 定率償却率 = 0.033
Case 77: 定率償却率 = 0.032
Case 78: 定率償却率 = 0.032
Case 79: 定率償却率 = 0.032
Case 80: 定率償却率 = 0.031
Case 81: 定率償却率 = 0.031
Case 82: 定率償却率 = 0.03
Case 83: 定率償却率 = 0.03
Case 84: 定率償却率 = 0.03
Case 85: 定率償却率 = 0.029
Case 86: 定率償却率 = 0.029
Case 87: 定率償却率 = 0.029
Case 88: 定率償却率 = 0.028
Case 89: 定率償却率 = 0.028
Case 90: 定率償却率 = 0.028
Case 91: 定率償却率 = 0.027
Case 92: 定率償却率 = 0.027
Case 93: 定率償却率 = 0.027
Case 94: 定率償却率 = 0.027
Case 95: 定率償却率 = 0.026
Case 96: 定率償却率 = 0.026
Case 97: 定率償却率 = 0.026
Case 98: 定率償却率 = 0.026
Case 99: 定率償却率 = 0.025
Case 100: 定率償却率 = 0.025

End Select

End Function

 

Select Case 耐用年数

End Select

の間に、ざ〜と場合わけを並べていけば終り。ちまちましてますが、難しいことはないと思います。
(Excelが勝手に1.000 を1#とかに書き換えたりしますが・・・)

さて、これからが本題の「改定取得価額」を返す関数作りです。

でもその前に、上で作った「定率償却率」という関数と、もう一つ「保証率」を出す関数を前もってを作っておきます。

「定率償却率」「保証率」を出すだけなら、エクセル備え付けのVlookup関数を使えば終わります。わざわざ自作関数作らなくてもいいです。ですが、「改定取得価額」を求めるには前段階として必要なのでわざわざユーザ関数を作っておきます。

もう一度、「改定取得価額」の出し方を復習しましょう。

 

1年目は旧来と同じ。(償却率が変わるだけ)

1年目の償却額=取得価額×償却率÷12×事業の用に供した月数

2年目以降

償却保証額=取得価額×保証率を計算する。この償却保証額は以後不変。

調整前償却額=期首帳簿価額×償却率を計算する。

償却保証額と調整前償却額とを較べる。

a) 調整前償却額 ≧ 償却保証額 の場合

調整前償却額を採用する

b) 調整前償却額 < 償却保証額 の場合

改定取得価額×改定償却率を計算し、こちらを採用する。

*初めてb)の場合になった年度の期首帳簿価額を「改定取得価額」とし、この「改定取得価額」を来期も使用する。

 

出来た関数は以下のようです。上で作った関数を、定率償却率(耐用年数)、保証率(耐用年数) と呼び出して使用しています。

 

Function 改定取得価額(取得価額 As Long, 償却月数 As Byte, 耐用年数 As Byte) As Long

'調整前償却額<償却保証額 の場合の、期首簿価が改定取得価額になる

Dim 償却保証額 As Long
Dim 調整前償却額 As Long
Dim 期首簿価 As Long

'初年度の処理(「期首簿価」は1年目の期末簿価=2年目の期首簿価)
期首簿価 = 取得価額 - 取得価額 * 定率償却率(耐用年数) / 12 * 償却月数

'2年目からの処理

償却保証額 = 取得価額 * 保証率(耐用年数)

Do

調整前償却額 = 期首簿価 * 定率償却率(耐用年数)

If 調整前償却額 < 償却保証額 Then Exit Do

期首簿価 = 期首簿価 - 調整前償却額

Loop

改定取得価額 = 期首簿価

End Function

 

ポイントは

Do ← 循環の開始地点

調整前償却額 = 期首簿価 * 定率償却率(耐用年数) ← 当期の償却額を求める

If 調整前償却額 < 償却保証額 Then Exit Do   ← 調整前償却額 < 償却保証額 ならDo〜Loopの循環から抜ける

期首簿価 = 期首簿価 - 調整前償却額 ← 当期の期首簿価から当期の償却額を引いて来期の期首簿価を求める

Loop ← Doの位置へ戻って繰り返し

ということです。

(わざわざ期首簿価という変数を作って、その値を改定取得価額に代入しなくても、最初から改定取得価額で通せばいいでしょうが、頭こんがらがるんで)

 

♪   ♪   ♪   ♪

 

で、上の関数で基本的にはいいんですが、ループしてます。ループすると、下手をするとループから抜け出すことができなくなります。

上の例では、「調整前償却額 < 償却保証額 ならDo〜Loopの循環から抜ける」 言い換えれば、整前償却額 < 償却保証額 にならないと永久にループから抜け出すことができません。無限ループに落ち込むと・・・・・エクセルが「応答なし」になって強制終了させる羽目になります。(Ctrl+Breakで止まるかも)

そこで、え〜っとと考えます。

まず、取得価格が0なら、0 < 0 は成立しようが無いので無限ループになります。エクセルはデータがないと0扱いするのでここをつぶします。

If 取得価額 = 0 Then Exit Function

でいいんですが、If 取得価額 <= 0 Then Exit Functionにしちゃいました。マイナス指定する人いないでしょうが・・・。

償却月数はゼロでも問題は起きないです。

耐用年数がゼロなら問題起きます。っていうか、保証率の耐用年数は3年〜100年の範囲に限られるので、それ以外の数値は最初からのけておいた方がいいんじゃないか。ということで

If 耐用年数 < 3 Then Exit Function
If 耐用年数 > 100 Then Exit Function

を追加。

う〜ん、それ以外・・・。

取得価格に誤って文字を入れてしまう。。。やってみると#VALUE!エラーを表示しました。

他には・・・と考えても思いつかない。とりあえず保険をかけておいて考えるの、や〜めよっと。

ということで、保険として、耐用年数は最長100年なので、100回繰り返しを行ったら抜ける処理を追加。下が完成版です。

 

 

Function 改定取得価額(取得価額 As Long, 償却月数 As Byte, 耐用年数 As Byte) As Long

If 取得価額 <= 0 Then Exit Function
If 耐用年数 < 3 Then Exit Function
If 耐用年数 > 100 Then Exit Function

'調整前償却額)<(償却保証額)の場合の、期首簿価が改定取得価額になる

Dim 償却保証額 As Long
Dim 調整前償却額 As Long
Dim 期首簿価 As Long
Dim 回数 As Byte

'初年度の処理(「期首簿価」は1年目の期末簿価=2年目の期首簿価)
期首簿価 = 取得価額 - 取得価額 * 定率償却率(耐用年数) / 12 * 償却月数

'2年目からの処理

償却保証額 = 取得価額 * 保証率(耐用年数)

Do

調整前償却額 = 期首簿価 * 定率償却率(耐用年数)
回数 = 回数 + 1

If 調整前償却額 < 償却保証額 Then Exit Do
If 回数 = 100 Then Exit Do

期首簿価 = 期首簿価 - 調整前償却額

Loop

改定取得価額 = 期首簿価

End Function

 

 

♪   ♪   ♪   ♪

 

と、ここまで書いて、国税庁のページで、新しい別表十六(減価償却資産の明細書です)を見たら・・・・・・大幅に変わっているじゃないですか・・・。

自作のエクセルの固定資産管理台帳では、旧来の別表十六に自動的に転記できるようにしているのですが、新しい別表十六は:

別表十六(一)旧定額法又は定額法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書
別表十六(二)旧定率法又は定率法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書

と、旧バージョンと新バージョンを同じ用紙に記載させる・・・・・頭いたい・・・。

あ、ちなみに弥生会計は最新版の07でも、この別表十六の自動作成機能はないようです。お高いお値段とるのにね〜。




♪   ♪   ♪   ♪

 

話変わって、

 

償却費の累積額が、原則として、取得価額の95%相当額(従前の償却可能限度額)まで到達している減価償却資産については、その到達した事業年度の翌事業年度(平成19 年4 月1 日以後に 開始する事業年度に限られます。)以後において、次の算式により計算した金額を償却限 度額として償却を行い、残存簿価1円まで償却できるようになりました。

っていうんだけど、この-1円。

旧来償却しきれなかった額を5万円とします。

本来の趣旨からいうと残った5万を5年かけて償却

40,000
30,000
20,000
10,000
1

と推移するはずなんです。

ですが、端数処理を切り捨てにします。

償却限度額=(50,000-1)÷5=9,999円、これを順次償却して行くと

40,001
30,002
20,003
10,004
5

となります。来期に4円償却するのは変。

切り上げでも、四捨五入でも(5万-1円)÷5は10,000円になっちゃいます。すると、最後はゼロ円。う〜ん、1円引く意味がどこにあるんだろうか?

まあ、ラッキーなときは、丁度1円が残る場合もあるようですが、最後に1円を残す処理は別途考案しなくては使えません。
最後に1円を残す処理を考えれば、わざわざ1円引いて計算しなくても構わないと思うんですが・・・。

あ、1円引かなくても、端数処理に「切捨て」は使えないようです。ためしにやってみると、5年目に3円だかが残ってしまう例が出てきました。

まあ、端数処理は難しいです。方法も「切捨て」「四捨五入」「切り上げ」があり、また、計算のすべての過程で端数処理するのと、最後の答えの段階で1回だけ端数処理するのとでは答えが変わることがありますし・・・・。法人の 減価償却 制度の改正のあらまし に載っていた新定率法の例と今回作った関数を使って計算させた場合でも、微妙にずれます。

 

♪   ♪   ♪   ♪

 

あ〜どうしよう、別表十六・・・。

別表十六 ご注意1 この表には、減価償却資産の耐用年数、種類及び償却方法の異なるごとにまとめて別行にして、その合計額を記載できます(略)

できます・・・が最初から纏めずに全ての資産を別行で作っていこうか、つまりエクセルの台帳から別表十六へ転記、じゃなくて最初から別表十六にエクセルで式を作っていこうかとも考えたんですが、これ・・・。

確定申告とかをご自分でされた方は、説明書読みながら、番号が付されている欄に金額を記入していくと、あとは、何番から何番を引けとか足せとかの指示に従って記入していけば、納める税額とかがでますよね。 法人税の確定申告、これまでは税理士さんに頼んでましたが、昨年自力でやってみました。個人の確定申告と同じでだいたいの表は金額を書き込んで指示通りに計算すればOK。 ところが、この別表十六は、ほんと、納税者のためにあるんじゃなくて税務署のためにあるような書式です。

別表十六 10 償却額計算の対象となる期末現在の帳簿記載金額

って項目があるんですが、これは、(「償却額計算の対象となる」という部分が何を意味するのか分からないんですが、ともかく)「期末現在の帳簿記載金額」、つまり当期末の帳簿価格です。納税者側から言わせれば、減価償却費を計算して、期末帳簿価格を出していく、期末帳簿価格はその最後の答え。

ところが別表十六は最後の答えをはや10番目に書かせて、それと「14 損金に計上した当期償却額」を足して、「18 償却額計算の基礎となる金額」を算出させます。「18 償却額計算の基礎となる金額」というのは、期首帳簿価格(当期に取得した場合は取得価額)です。

計算の流れが逆です。それに期中で取得した資産に対する減価償却費は月割り処理をしますが、その事業に供した月数を記載する項目はないし・・・。

基本的に、別表十六は、「この表に従って記入し、計算すれば答えが出る」という納税者向けの形式ではなく、「納税者が別途計算し、その計算結果を書き込んでいく」という税務署の立場にたった形式です。

結局、やはり自分にとって分かりやすく、かつ別表十六に転記しやすい形で計算することにしました。
旧償却法と新償却法とを別表にする方が楽なんですが、新旧同じシートで出来るようにしてます。

♪   ♪   ♪   ♪

 

ということで、せっかく作ったんで、新定率法、新定額法に対応したエクセルファイルをダウンロード可能です。

Kotei-shisan.lzh(67.2KB)を解凍すると「固定資産台帳雛形.xls」というファイルになります。Excel2002で作成。他のヴァージョンでの動作確認はしていません。

良識の範囲内でご自由にお使いいただいて結構です。改造等もご自由に。


ただし!無保証です。サポートもいたしません。
とりあえずの動作検証はしてますが、どんな不都合が出てくるかわかりません。その場合の被害などはすべて自己責任でお願いします。

また自分にとって不要だと思った項目は省略しています。不都合な方は改造してお使いください。

それとか、旧定額法の残存価格は10%としていますが、これは普通の場合で、ソフトウエアなどの場合はゼロになりますし、動物の場合は

小運搬使役用のもの 百分の四十
繁殖用の乳用牛及び種付用の役肉用牛 百分の二十
種付用の乳用牛 百分の十
農業使役用及びその他用のもの 百分の五十
小運搬使役用、繁殖用及び競走用のもの 百分の二十
種付用のもの 百分の十
農業使役用及びその他用のもの 百分の三十
百分の三十
綿羊及びやぎ 百分の五
果樹その他の植物 百分の五

なんだそうです。恐ろしや、減価償却!お持ちの旧定額資産の残存価格が10%では不都合な方は、改造してお使いください。

それとか、

 

償却費の累積額が、原則として、取得価額の95%相当額(従前の償却可能限度額)まで到達している減価償却資産については、その到達した事業年度の翌事業年度(平成19 年4 月1 日以後に 開始する事業年度に限られます。)以後において、次の算式により計算した金額を償却限 度額として償却を行い、残存簿価1円まで償却できるようになりました。

 

の「平成19 年4 月1 日以後に 開始する事業年度に限られます」という但し書きで引っかかるかもしれません。平成19年4月1日以前に開始した事業年度でも、期首にすでに償却可能限度額まで到達していたら上の算式をあてはめてしまいます。そのような方は次年度からお使いください。

 

 

♪   ♪   ♪   ♪

 

簡単に使い方を。

「設定」シートの画面です。

自、至を適宜書き換えます。個人の場合は、自は、1/1、至は12/31とか。
会社の場合は会計年度に合わせて適宜。

事務所名(個人名)を書き込みます。

期のところは、個人の場合は、期を年度に書きかえてお使い下さい。

説明の都合上、ここの「繰越処理」のお話をここで。

「繰越処理」をクリックすると、上の「自」「至」を1年ずらし、46に1足します。

さらに、期末帳簿価格のデータを期首帳簿価格に書き込みます。「定額台帳」の場合は、償却月数が12でなければ12に書き換えます。「定率台帳」の場合、償却月数は書き換えません。(書き換えると「改定取得価額」の値が変わってしまいます)

注意:繰越処理を行った場合は、後戻りできませんので、必要に応じてバックアップをとってください。
注意:期末帳簿価格、期首帳簿価格、償却月数は「列番号」で処理させていますので、カスタマイズした結果、「列番号」がずれるようならVBAを書き換えてください。同様に、合計行は行番号で判断していますので、行を挿入して合計行の行番号がずれた場合や、合計行を削除した場合もVBAを書き換えてください。

実際の繰越の手順としては

1:当期の確定版を作成・印刷

  期中増加資産がある場合、書き込みます。(当たり前・・・)
  期中減少資産がある場合、適当に処理してください。
   「定額台帳」の場合は、償却月数を変えると、資産を使っていた月数分の償却費を出すことができます。
   「定率台帳」の場合は、償却月数を変更すると「改定取得価額」が変わってしまいます。 「償却実施額」を適宜書き換えぐらいで処理してください。

2:当期で減少資産があった場合の処理をして「繰越処理」

   ファイル名を来期用に変えて「名前をつけて保存」します。
   期中減少資産がある場合、削除し、必要に応じて行詰めなどを行います。(手作業でお願いします)
   「償却実施額」を書き換えたりした場合は、数式に戻しておきます。(上あるいは下の行からオートフィルが簡単です)
   (エクセルに不慣れな方はここで色々トラブりそうな気もするがサポートしませんです)
   「繰越処理」をクリックして、上書き保存

ぐらいでよろしいかと。(期中減少資産がない場合は、何もする必要ないです。ファイル名を変えて保存するぐらいです。)


参考例として、法人の 減価償却 制度の改正のあらまし に記載されている、取得価額1,000,000 円、耐用年数10 年の減価償却資産の定額法・定率法の設例を入力していますので、なんでしたら「繰越処理」して確認してみてください。ただし、定率法では端数処理の違いから微妙にずれてきます。(エクセルでは、四捨五入で統一しました)

「印刷」ボタンをクリックすると、定額台帳、定率台帳、別表十六(1)(2)の4枚を印刷します。別表不要の方とかは改造するか手動で印刷してください。

 

「定額台帳」シートです。初年度は「資産名」「取得年月日」「取得価額」「耐用年数」「償却月数」を記入します。他の台帳からデータを移す場合は、さらに「期首帳簿価格」を記入します。それだけです。

「定率台帳」もほぼ同じですが、他の台帳からデータを移す場合、「償却月数」に注意して下さい。新定率法での場合、初年度でなくても「償却月数」は初年度に事業に供した月数を記入します。そうしないと正しい「改定取得価格」がでません。 (「定額台帳」の場合は、初年度でなければ月数は12です。混同しないように)

なお、「定額台帳」「定率台帳」というシート名を変更する場合、VBAも適宜書き換えてください。

注)「VBAも適宜書き換えて」というフレーズが頻出しますが、Visual Basic Editorで標準モジュールのModule1にある、「Sub 繰越」という箇所をじっくり眺めていると必要な書き換え箇所が分かると思います。(6年ほど前に独学で苦労して作りました。エクセルで自動化したい方はそれなりに参考になるかも)

 

別表十六(一)と定額台帳、別表十六(二)と定率台帳との「リンク」はしていません。お好みにあわせてご使用下さい。私はもう資産ごとに別行にしてやろうと考えていますが、「減価償却資産の耐用年数、種類及び償却方法の異なるごとにまとめて別行」にされる方もいらっしゃるでしょうし、適宜アレンジしてお使いください。別表のできはあまり美しくないですが、それでもうんとこさ時間がかかりました。(以前の別表を改造しただけなのに、それでもう〜んとこさ時間を食いましたです。疲れた・・・)

 

 

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