さ み だ れ 雑 記 | 68 | 2002年1月21日 |
郷愁のきゅーはち(2)Windows98のMS-DOS
さて、エミュレータ編です。
取り上げるのは、T98-NEXT。 http://www.pc98x1.net/%7Et98next/ にあります。
おしゃれなサイトなのでわかりにくいですが、小さな文字でDownLoadとあると思います。
2001年12月5日現在でnext_rb122.lzhです。
これを解凍して、起動すると、
ここで左上の「電源」を入れます。
上がT98-NEXTのエミュレーション情報です。T98-NEXTはPC-9821のエミュレータです。
BIOSのエミュレートもしているので、実機のBIOSが無くてもメモリの容量を量っています。
しかし、システムディスクはないので、前回なら
となるとことですが、実機ROMが無いので
と表示されます。
で〜問題はDOSが無い!
さて、実機を持っている人は当然、MS-DOSも持っているはずなので問題ないんですが、実機を持っていない人は、ここで何らかの手段でMS-DOSを入手する必要があるわけで〜。。。。しっかし、いまさらMS-DOSをお金を出して買うか?という話もあったりして・・・・
で、Windows98のUpgrade版CDを持っている人に朗報です。Upgrade版はAT互換機、NEC
PC98ともに共通の1枚のCDに納められています。
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ということで〜。Upgrade CDからNEC98用のDOSを取り出します。
Upgrade版CDをパソコンに挿入しましょう。
win98nというフォルダ(ディレクトリ)があります。これがNEC PC-98用のファイル群です。
(win98というディレクトリがAT互換機用です)
エクスプローラでwin98nのフォルダを開き、その中の
Base5.cab
というファイルをダブルクリックします。
このような画面が現れます。(現れなかったら場合は後で。。。)
その中のというファイルを再びダブルクリック。すると
と表示されますので、適当な場所を指定します。ここではC:\tempに保存することにします。
そして、保存した
winboot.sysをio.sysとリネーム
します。(MS-DOSに詳しい人は後は言わずもがな、でしょう)
同様に、Base5.cabにある、command.comをC:\tempに「抽出」。
さらに、Windos98(無印)なら、Win98_23.cab、Windows98 2nd EditionならWin98_22.cabにある、sys.comをC:\tempに抽出。
ブートFD作成には、上の3つのファイルでOKです。
さて、フロッピィを用意します。フォーマットされているブランクなものを1枚です。
NECのフロッピィは1.2Mだというのは有名ですが、後期きゅーはちは1.4Mでもブートします。
それをフロッピィドライブに入れます。
そしてMS-DOSプロンプトを立ち上げます。
cd \temp と入力してリターン(=エンター)
ちょっと確認のため dir でリターン
command.com, sys.com, io.sysの3つがあるはずです。
そこで、sys c:\temp a: と入力してリターン。
めんどうだ!という人は、c:\temp\sys c:\temp a: ←この部分を選択してコピー。
「ファイル名を指定して実行」(スタートボタンから)をクリックし、
名前のところに張り付けて、OK! フロッピィに書き込む音ががちゃがちゃし、
と表示されればOKです。
(sysは必ず、win98nのsysを使って下さい。Windows\commandにあるsysではbootしません)
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このような画面が現れます。現れなかったら場合は後で。。。をここでします。
それは、多分、マシンのOSが、Windows98のSecond Editionじゃない、1st Edition(?)(あるいはWin95)だろうと思われます。1st Editionでは、cabファイルの処理がエクスプロアラーからはできません。その場合、各自cabを処理することができるソフトを探して下さい。
わたしはLHUT32を愛用しております。(エクスプロアラーで抽出すると、ファイルのタイムスタンプが抽出した日付となりますが、LHUT32なら元の日付を保持します)
そんなの面倒だ!という人は、DOSプログラムでExtract.exeというのがありますので、それをご使用下さい。
DOSコマンドで困った時は /?をつけてエンターです。(Extractの場合は/?をつけてもつけなくてもヘルプを表示します。ということで
Extract /? + Enter(キーを押す)しても、Extract + Enterでも、
Microsoft (R) Cabinet Extraction Tool - Version
(16) 1.00.603.0 (08/14/97)
Copyright (c) Microsoft Corp 1994-1997. All rights reserved. EXTRACT [/Y] [/A] [/D | /E] [/L dir] cabinet [filename
...]
cabinet - Cabinet file (contains
two or more files).
source - Compressed file (a
cabinet with only one file).
/A
Process ALL cabinets. Follows cabinet chain
|
というヘルプが表示されます。(ふつうは日本語表示されますが、extract.exeは日本語化されていないです)
このヘルプをじっくり読みます。何かよう分からんヘルプですが、1行目の書式でいいのでしょう。
extract base5.cab command.com エンター。
で基本的にはいいのですが、これではbase5.cabが存在するフォルダに抽出されてしまい、そこはCD-ROMなので書込できません。
(extract.exe はwindows\commandフォルダに存在するので、絶対パスを指定する必要はありません)
ということで、書き込む場所を指定します。上のヘルプでは /L オプションを使います。
extract /l c:\tmp d:\win98n\Base5.cab command.com
のようにします。(MS-DOS,Windowsは大文字小文字は区別しません)
他の、winboot.sys, sys.comも同様にやっていただければOKです。
え?
面倒だ?
。。。。
う〜ん。
じゃ
@echo off
if "%1"=="/?" goto help
extract /l %2 %1\win98n\Base5.cab winboot.sys
echo.
%2\sys %2 a: goto exit :help
:exit |
上をコピーしてメモ帳等のテキストエディタで、ext.batの名前で保存して下さい。
(左端と最初の文字の間にスペースが入りますが、問題なく動作しました)
(これはWin98用です。Win98 Second Editionをお持ちの方は、Win98_23.cabをWin98_22.cabと書き換えて下さい)
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batは「バッチファイル」の拡張子で、「一括処理」プログラムです。
前回の雑記で書きましたが、実行ファイルはcom, exe, batのいずれかの拡張子を持っています。com,
exeファイルは「プログラム言語」が無いと書けませんが、batは上のようにテキストファイルで、素人でも容易に書けます。
素人でも容易に書けるように、高度なことはできませんが、単純なぶん使いやすくて好きです。
久しぶりだったので、ifの書き方とか、goto文が飛んでいくところを「:」で始めるとか、忘れていましたが・・・・。
ちょっと解説すると、%1 %2 は「パラメータ」=「引数(ひきすう)」と呼ばれます。
if "%1"=="/?" goto help
if "%1"=="" goto help
if "%2"=="" goto help
のところは、パラメータが「/?」だったり、無かったり、出力の指定(2番目のパラメータ)
が無かったりしたら「:help」の所へ飛んでいけ、という意味です。
で、パラメータが入力されていれば、%1 %2が実際に入力された情報に置き換わるわけです。
つまり上のバッチファイルで、例のように、ext d: c:\tempと入力されると
@echo off
extract /l c:\temp d:\win98n\Base5.cab winboot.sys
echo.
c:\temp\sys c:\temp a:
|
のように置き換わるわけです。
単純でしょ?
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さて、これでNEC用のブートフロッピィができました。
まずは、お試し。
T98Nextを立ち上げて、FD DRIVEの"New"のところをクリックします。
そして、1.44Mです。
フロッピィを書込禁止にしてくれというメッセージが流れますが、Windows98で作成したフロッピィなので書込禁止にしなくても無事です。
終了したら、T98-NEXTの「電源」をクリックして下さい。
のように表示されたらOKです。おめでとうございます。
ちなみにヴァージョンは
なんだそうです。
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MS-DOSの基本の使い方も少し解説しましょうか?
今回はcommand.comについて。
前回の雑記で
DOSの基本は「実行ファイルのファイル名を入力してリターン」です。
と書きましたが、正確に言うと上は「外部コマンド」の場合です。
コマンドには「内部コマンド」と「外部コマンド」があります。
内部コマンドとは、command.comの内部に含まれているコマンド、という意味です。
外部コマンドとは、command.comの外部、つまり他の.exe, .comという実行ファイルです。
このブート用のフロッピィ・ディスクには、実行ファイル(com,exe,batの拡張子を持つファイル)は、command.comしかありません。ということは、「外部コマンド」は一切存在しません。
しかしcommand.comの使い方は?
ドスのコマンドで困ったときは「/?」でした。command /?でリターン。すると
Windows コマンド インタープリタを新たに起動します.
COMMAND [[ドライブ:]パス] [デバイス] [/E:nnnnn] [/L:nnnn]
[/U:nnn] [/P] [/MSG]
|
なんや、わけわかりません。私もわかりません。(最後の2行は以前、雑記24で話題にしましたが。。)
command.comは別名shell programともいいますが・・・というより正確には、MS-DOSの純正シェル・プログラムがcommand.comで、私は試してませんが、フリーソフトでcommand.com以外のシェルプログラムも存在します。
話、ややこしくなりましたが、ドス・プロンプトで(何もない真っ黒な画面で)、例えば
giggle + return (giggleとタイプしてリターンキーを押すという意味です)
とすると、
まずgiggleという情報がシェルプログラムのcommand.comに伝わります。シェル=貝殻プログラムとは、command.comを介さなければ貝殻の内側の貝には到着しない、みたいなニュアンスのネーミングのようです。人間がキーボードで入力した情報はまず、command.comという「貝殻」にぶつかるのです。
command.comはgiggleというコマンドがcommand.comの内部にあるかどうか調べます。あれば実行します。
なければ、command.comはgigle.com, giggle.exe, giggle.batという実行ファイルが存在するかどうか、調べます。
あればそのファイルを実行します。見つからなければ、「コマンドまたはファイル名が違います.」というメッセージを出す。
という仕組みです。
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さて、私が覚えている「内部コマンド」は。。。
dir ファイル・ディレクトリを表示します。
よく使うのはこれだけ。
まずまず使うのが
cd ディレクトリを移動します。change directoryの略です。
ときどき使うのが
cls 画面をクリアします。
del ファイルを削除します。deleteです。ワイルド・カードつきで時々使います。
拡張子がbak(バックアップファイル)を削除するときに、del *.batとか。
これは時としてGUIより段違いに便利です。
ほとんど使わないのが
copy 文字通り複写ですが。ファイル名の入力が鬱陶しくて、もっぱらファイラに頼ります。
md make directory。新しいディレクトリを作ります。これもファイラ頼み。
rd remove directory。ディレクトリを削除します。このコマンド忘れてました。
path ふつうはautoexec.bat内で使いますが、時にプロンプトで使ったりします。
type ファイルの内容を表示します。
date 日付を設定します。
time 時間を設定します。
ver versionを表示します。
バッチファイルの中だけで使うものもあります。
上で使ったgotoとかecho,pause、callとか。shiftやforって何のこと?
break, verify, lock, unlockは一度も使ったことがありません。
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さて、めでたく
のような画面が出たとはいえ、ほとんどすることはありません。
md are + return (areというディレクトリを作り)
cd are + return (areというディレクトリに移動)
とかしても、すぐに飽きます。
dir /?して、パラメータの使い方とか練習しても、最初は(人によったら)感動するかもしれませんが、これも飽きます。
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う〜ん、何すんの?
って言うと、ふつうの人はもちろん、プログラムを動かすのです。
OSだけあったって、何もできない。(ま〜最近のOSはインターネットブラウザなんかが付属していたりしますが。。。)
NECのプログラムって言ったって、私みたいに実用ソフトを使い続けている人はのぞき、これからきゅーはちをつついて見ようかという場合には、当然
ゲームじゃ、ゲームじゃ!
ということで〜、ベクターのdosのゲームでもダウンロードして見て下さい。
http://www.vector.co.jp/vpack/filearea/dos/game/index.html
がゲームの場所です。
青海とか、おすすめです。(http://www.vector.co.jp/soft/dos/game/se001370.html)
(ゲームをクリアしたとたん画面が凍りますがNext98は生きているんで。。。)
他には、UNIX原産のさめがめとか(これマック版もあります)
あ〜。DOS版のLHA解凍方法が分からない方はwindows上で解凍してからご使用いただければ。。。。
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まあ、腕に覚えのある人は、後はcabファイルの中からdosで使うファイルを抽出していけばそれでいいのですが、そんな人は元々NECのDOSを持っているはずなので、そもそもWinodws98のDOSなんか必要ないはず。。。。
ということで、次回は、そのほかのファイル群をcabから抜き出す話になる予定でございます。
ではでは