さ み だ れ 雑 記 | 52 | 2000年5月4日 |
昔々、この世にGUIできるパソコンがマックだけだった時、MS-DOSのユーザーはマックな人が、ファイルをダブルクリックするだけで、アプリが立ち上がり、ファイルを開けるのをみて魂消たのだというお話であります。
その仕組みがファイルタイプとクリエーター情報なのでありますが、本題に入る前に、ウインドウズでは同様のことをいかに実現しているかというお話をちょっくら・・・・
ウインドウズでは、同様の処理を「拡張子」と「(拡張子への)関連づけ」で実現しています。
拡張子とは、ファイル名のピリオド以後にある文字(数字可)です。MS-DOSの時代ではファイル名は8文字まで、その後ろにピリオドを入れ、その後の3文字が拡張子でした。
Windows95からlong file nameと言って、確か245文字だったと思いますが、ずいぶん自由になりました。(拡張子もhtmlのように3文字以上もOKになりました。)
その癖でマックでも長い名前を付けようとすると、マックでは31文字(半角)を越えると警告音が鳴ったりします。
Macの雑誌では「拡張子が絶対」みたいな書き方してあるのもありますが、ちょっと違います。
「絶対」なのは実行ファイル。 com, exe, bat, pif の4つの拡張子のいずれかを持たないと実行ファイルになりません。これはDOS/Windows独自です。
しかしそれ以外は適当です。例えばsysという拡張子はシステム関係のファイルを表すのですが、さてその実体となれば、例えばconfig.sysはテキストファイルですし、logo.sysは起動ロゴの画像ファイル(BMP)だったりします。え〜かげんです。
あとの拡張子は、アプリケーションが勝手に決めています。何でもマックの方は、アプリケーションの作者はクリエーター名をアップルに登録するんだそうです。野放図なWindowsと中央集権的なマックというところでしょうか。
さて、その拡張子とアプリケーションを「関連づける」ことによって、あるファイルをダブルクリックすると、その拡張子に関連づけられたアプリケーションが立ち上がることになります。
容易に想像できるように、バカ、です。
これは一太郎関連のファイル群ですが。tblという拡張子を持ったファイルはその種類が「桐
表」と表示されています。桐(データベースソフト)の表のファイルだという意味ですが、勿論、一太郎が桐の表を使う訳がありません。
試しにダブルクリックしてみると、桐が立ち上がろうとしますが、
というクレームを出して終了します。
tblという名前の拡張子と桐を何のチェックもなしに関連づけているからです。
あとのお馬鹿さん状態は例えば、上の図では、「ファイルの種類」のとこで、もっともらしく、CNTファイルとか、TLBファイルとか表示していますが、これは単に拡張子の文字を写しているだけのことです。試しに、
「ウインドウズの.バカ」というファイルを作成すると:
と表示します。ま〜、ここまで徹底すれば、かわいい、ともいえましょう。
ところが、かわいくないことも起こります。
Micosoftは好かん!!!!
と私なんかは言っていますが、その最たる物の一つが「Wordの図々しさ」です。ワードの作ったファイルの拡張子はdocです。ところがdocという拡張子は、テキストファイルに付ける一般的なものの一つです。(txtかdocが主流)
ですから
上のNeco.docはテキストファイルにも関わらず、ダブルクリックするとワードが立ち上がります。「ワードはテキストファイルも表示できるから別に構わないのでは?」という人がいたら、それはマイクロソフトの回し者で、テキストファイルを読むのにわざわざ重たいワードを立ち上げようという人はいません。
この現象は多くの人を不快にさせたようで、docファイルがワード文書かテキストかを判定して起動するソフトを割り振るシェアウエアまで登場しました。
(まず、そのシェアウエアとdocを関連づける。するとdocファイルをダブルクリックすると、そのソフトが立ち上がり、そのソフトがdocをワード文書かどうか判定して、ワード文書ならワードを、テキストなら、たとえばメモ帳を立ち上げる・・・)
最近ではdocという拡張子を持ったテキストファイルはとんと見なくなってだいたいtxtに変わってしまいました。
マイクロソフトの横暴さを表す一例で御座います・・・。
さて、マックなら、Windowsのdoc騒動のようなことは起こりません。
マックにはクリエーター情報がありますので、そのファイルを作ったアプリケーションの情報があります。ですから、例えばシンプルテキスト(Windowsのメモ帳に一応相当)で作ったファイルをダブルクリックするとシンプルテキストが、ワード文書をダブルクリックするとワードが立ち上がります。
めでたしめでたし・・・・・でもないのです。マックにはマックの悩みがあったりします。
@@@@@@
マックの悩みは、インターネットを利用していると、よく発生します。
例えば、このページで以前、Oldtrash.lzhという「ごみ箱復活ツール」をダウンロードできるようにしましたが、これをダウンロードすると、本来、
と表示されるべきものが
と、いわゆる「白紙アイコン」で表示されたりします。
本来のファイルタイプ、クリエーター情報が失われているのです。
「ファイルタイプ、クリエーター」という情報はマッキントシュ以外では使われていませんので当然のことです。
じゃ、「ファイルタイプ、クリエーター」情報はないのか?というと、そうではありません。
つまり
「インターネット上ではファイルタイプ、クリエーター情報はない」
のですが、マックにファイルを保存した段階で
「ファイルタイプ、クリエーター情報が付加される」
わけです。(と推測できます)
ちょいとResEditで覗いてみると
と、ファイルタイプはTEXT、クリエーターは????なんだそうです。これはネスケです。
と、こいつはIEです。ずうずうしいやつです。クリエーターはMicrosoft Internet Explorerなんだそうです。こらあ!嘘つき!
これが本来のクリエーターで、ファイルタイプはLHA、クリエーターはLARCになるはずのものなのであります。
さて、この状態の白紙アイコンでは、本来のクリエーターであるMacLHAの情報がありませんから、この白紙アイコンをクリックしても、MacLHAは起動しないはずです。
「はず」と書いたのは、これがマックの不思議なのですが、私の環境ではLC630では起動しません。これが当たり前です。ところがiMacではMacLHAが起動してしまうのです。
さ〜っぱり分かりません。LC630はMac OS 8、iMacは8.6です。その関係なんでしょうか?
う〜ん。。。。。
う〜ん・・・・・・・
う〜〜〜ん・・・・・・・・・・・
ぬほ。ぬほ。ぬほほ〜
かんらからから
発見!
OSのバージョンのせいでした。
Mac OS 8.6では、以前のPC Exchangeの代わりに、File Exchangeがあります。(コントロールパネル内)
試しに、これを立ち上げて
のように、lzhをシンプルテキストと対応させると、lzhファイルはシンプルテキストで開くことになります。
つまり、ウインドウズでの「拡張子とアプリの関連づけ」と同じことをマックで行っているわけです。そうだったのかあ・・・・。
Mac OS 8のFile Exchangeでlzhの拡張子とMacLHAを対応させても、MacLHAは起動しません。がっかり。
と・と・と・・・・・マックって不・思・議
これは実体はgifファイルです。が、ファイルタイプはTEXT、クリエーターはttext、つまりシンプルテキストです。
ファイル名が「sample.gifだよ」というふざけた名前。これを「sample.gif」とリネームします。すると・・・
な〜んと、Picture Viwerファイルに変わってしまいます。む・む・む・・・
この原理は何なんでしょう?
不思議です。File Exchangeの働きではどうもないようです。gifという拡張子にGraphic Converterを指定しても、Picture Viewerファイルになります。また、「sample.gifだよ」の時点でファイルタイプがgif(GIFf)になっていると、「だよ」をとってもファイルタイプは変化しません。(ま、当然ですが・・・)
どなたかご存じならおせ〜てくださいませ〜〜。
まあ、ファイルタイプとクリエーターが違っていても、画像ならGraphic Converter、テキストファイルなら、JeditとかYoEdit、圧縮ファイルでは、lhaはMacLHA、他ならStuffItのアイコンに放り込むか、アプリから開くかどちらかで大体解決はするんですが、面倒じゃないですかあ〜。
ということでベクターに行ったりすると、あるわあるわ色々とファイルタイプとクリエーター情報を書き換えるツールがあります。
今回ご紹介するのは「モアイの技」というコンテキストメニューを試用するフリーソフトであります。http://www.vector.co.jp/soft/mac/util/se076614.html
2ボタンのマウスでは、右クリックで「コンテキスト・メニュー」が出るように設定できます。
「ちょっと情報を見る」のところで、ファイルタイプとクリエーター情報とか、作成日、更新日とかが確認できます。
「圧縮」のところは圧縮ファイルが選択されている場合は、「伸張」という表示に変わります。lha形式も一応フォローしているようですが、StuffItを使っているので、StuffIt同様、lha形式は往々にしてうまく行かないようです。
が、このように、Post ProcessとしてBinHexとかMacBinaryを指定することもできて便利です。
しかし、結論から言うと、マックは面倒です。
ウインドウズの「拡張子との関連づけ」も馬鹿ですが、単純なので対応も楽です。
マックの「ファイルタイプとクリエーター」は、複雑で、難解。通常では「ファイルタイプとクリエーター情報そのもの」が分からない。今回取り上げた「モアイの技」とかResEditとか、それなりのツールを使わないとダメ。書き換えもそれなりのツールが必要。
まあ、それを言えば、ウインドウズでの「拡張子との関連づけ」を変更するのも「初心者」には難解でしょうが・・・。
けど、インターネットでは、拡張子は、ファイル名の後にちょこっと付けるだけだからカンタンなんですが、ファイルタイプとクリエーター情報とか、あとマックではデータ・フォークとリソース・フォークがあったりするから、も〜難解・・・。
私未だに「マックバイナリー」が何者かよく分かっていません・・・・。
ま、いいんだけど・・・・