さ み だ れ 雑 記 | 46 | 2000年3月12日 |
G4対Pentium IIIの謎
福田さんから
クロック周波数はマックとAT互換機では基準(?)が違うんでしょうか? アップルの宣伝だと500の方が800より速いことになりますが。 知人もVAIOは自分のマックより周波数が多いのに遅くてイライラすると言ってました。 謎です。 |
というメールをいただきました。
返事が長くなるし、私自身不思議に思っている点もあるので、どなたか詳しい方からのご教授とかも期待しつつ・・・ということで、福田さんの許可もえず、無断で雑記コーナーで返事を書くことにしました。(福田さん、事後承認ということでご了承下さい。)
まず、クロック周波数の基準は同じです。
クロック周波数はCPUの動作速度です。ですから同じPentiumIIIなら、能力と周波数は正比例します。物が同じなんですから、高速で働けばそれだけ仕事も速いです。(もちろん同じ名前でも設計が微妙に違えば綺麗な正比例にはならないでしょうが・・・)
ところが例えばAlpha(DECのサーバが使っているCPU)とかPARC(でしたよねSun
MicrosystemsのCPUです)なんかは64bitです。これらの64bitと32bitのPentiumIIIが同じ周波数で動けば、単純計算で64bitのCPUは32bitのCPUの倍、仕事をするわけです。
CPUの性能=能力×動作速度である。
では同じ32bitのCPUの性能差は?
それを知るためにベンチマークテストがあります。
AT互換機ではIntelと互換CPUメーカーのAMDが戦争していて、雑誌にベンチマークテストがよく載っていますが、だいたい複数のベンチマークテスト用のソフトの結果が載っています。ここら辺ぼ〜っと参考程度に眺めているだけですので、詳しくないんですが、一つのテストでも、項目ごとに計測してその合計点を出す、というやりかたです。当然CPUごとに得意不得意分野がでます。
大昔なら、浮動小数点演算機能がないCPUならいくら周波数が高くても機能がないのですから、成績は0点です。ちょっと昔ならMMXをサポートしているかどうか、とか。MMXはたしかMulti
Media eXtentionの略だったと思いますが、マルチメディア系の命令をサポートしているかどうかです。
あともう一つは「価格差」です。たしかWindows NTはAlphaをサポートしていたはずで、多分Windows
2000もサポートしてるでしょう。単に性能差だけだったら64bitCPUの方がいいに決まってます。価格にみあった性能です。オリンピックじゃないんだから。
AT互換機でベンチマークテストが流行るのは、それらを勘案して読者がCPUを買う参考にするためです。
CPUの評価=性能+価格である。(他にも本家の方が安心とか。。。)
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次の話題、「アップルの宣伝だと500の方が800より速いことになりますが。」
結論からいうと「G4の方がPentium IIIより速い」しかし「アップルの言うほど速くはない」でしょう。(多分)
でも、アップルの宣伝の根拠は謎です。
以前雑記に書きましたが、G4マシンが輸出規制にひっかかったのはFLOPSではなく、OPSやCTPの値だったという「前科もの」の言うことですから。アップルの広報に対しては不信感もってますね〜。
PentiumとAthlonなら似たような条件を揃えることができます。同じメモリ、同じHD、同じグラフィック・アクセラレータ、同じOS..。同じベンチマークテスト。それでも、マザーボードは同じにはできません。スロットの違いによってPentiumIII用のマザーボード、Athlon用のマザーボードが必要です。「同じ条件」は無理なんです。「ほぼ同じ条件」しか作れません。
G4とPIIIは、違うマザーボード、違うOS、違うベンチマークテスト、です。同じメモリ、同じHD、同じグラフィック・アクセラレータは可能でしょうが(それでも違うグラフィック・アクセラレータ用のドライバですか・・・)。まあ「ほぼ同じ条件」さえ成立しないんです。
アップルはどのような根拠でPIII-800よりG4-500の方が速いという結論を出したのか?
Mac People 1999年10.1号によると
インテルがペンティアムIIIの性能を誇示するために開発した同CPU用のベンチマークテストをパワーPC G4で実施したところ、パワーPC G4のほうが2.9倍も高速だったという。とありますが、私なんかは本当にこれ読んで「頭をかかえてしまった」。
理解不能なんです。ペンティアム用のベンチマークテストをどうやってG4で実施できるのかが理解できないんです。
ウインドウズ用のプログラムがマックで動くはずはありません。すると、アップルがペンティアム用のベンチマークテストをマックに移植したんでしょうか? (それともジャバでも使ったの?ジャバのプログラムならウインドウズでもマックでも動くはずですが???まさかね〜)
それともOSを介さないでも出来るテストで、それをG4に施したのでしょうか?でもそうなら「同CPU用のベンチマークテスト」と矛盾します。ペンチアムの為に開発した「汎用の」ベンチマークテストで、「ペンチアム用のテスト」ではありえません。(ペンチアム用のテストで互換CPUのAthlonのテストは出来てもG4のテストなんか出来る訳がない!)
同Mac Peopleによると、フォトショップでの処理速度を比べたらしいです。まあ「厳密な意味」でのベンチマークテストじゃないけど、可能な限り同等の環境にした上ならいいでしょう。
「可能な限り同等の環境」というのは、CPUの速度=マシンの性能ではないからです。
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マシンの性能を左右する主な要素
CPUの性能+メモリ搭載量+グラフィックアクセラレータの性能+バスクロックの周波数+HDの書き込み速度・読み出し速度・データ転送速度
ぐらいでしょうか。私の経験では、CPUをPentium200からK6 233にした時より、グラフィックボードをPCIの4MからAGPの8Mにした方がはるかに体感速度は上がりました。
Pentuum 200はMMXをサポートしていません。K6 233はしています。しかしそれよりもグラフィックボードの性能の方が強かったです。
「知人もVAIOは自分のマックより周波数が多いのに遅くてイライラすると言ってました。」に関しては、CPUの速度=マシンの性能ではないので、CPU以外の条件が分からないので何ともコメントのしようがない、とか言いようがないです。
私にはウインドウズだからイライラとかマックだからイライラした経験はないですねえ。ウインドウズでイライラした事をマックでやったら同じようにイライラしました。(あ、6210は別:あれは「忍」の一字)(あ、マックのモデム!:でもCPUには関係ない)(ウインドウズはスワップファイルの書き込み(仮想メモリの書き換え)に入るとその間待たされます。これは不快)
K6 233MHz K6-2 375MHz G3 333MHzの3つで、極端な体感速度の差はありません。
K6は同じマシンで64Mのメモリ、Videoメモリは8M,AGP。iMacは160Mのメモリ、Videoメモリは6M,PCI。あ、バスクロック(外部クロック)はK6 233 が66MHz、K6-2 375が75、G3 333が66です。
速い順に並べるとしたら
K6-2 375MHz > G3 333MHz > K6 233MHz の順でしょうか?
K6-2 375MHz に換えた後で、二村定一のディスコグラフィをコンポーザー(ネスケ付属のhtmlエディタ)で書くという「重い作業」を、K6-2 375 とiMac G3 333 でやってみましたが、これはK6-2の方があきらかに速かった。(日本語変換はどちらもATOK11)
けど、繰り返しになりますが、233〜375まで極端な体感上の差は感じません。
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話戻ります。
私には、アップルがどのようにプラットフォームが違う2つのCPUの能力を比較したのか分かりません。ここら辺詳しい方がいらっしゃれば、ぜひ教えて欲しいです。謎だ。
まあ、常識的な判断として、
いちおうアップルという一流企業なので「真っ赤な嘘はついてない」。と取るのが普通でしょう。(1行目に関してはアップルは「前科者」なんですが〜)
第三者のテスト結果ではないから、「アップルに都合のいい結果しか伝えていない」
たしか雑誌が独自に追試を試みると、G4の方が遅い結果がでて、その雑誌はその原因をOSの差だろうと推測していたと記憶しています。その雑誌もたしかフォトショップでのテストだったと思います。
ホント、「アップルの宣伝だと500の方が800より速いことになりますが。」に関しては、よく分かりませんが、「G4の方が速かった場合だけを宣伝しているのだろう」というのが推測です。
まあフォトショップで重い処理するならG4の勝ち、ワープロ・表計算では、周波数の速いCPUの勝ち、ぐらいになるんでしょうか?
結論は・・・・・謎だ。
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あれ?
結論は・・・「G4の方がPentium IIIより速い」しかし「アップルの言うほど速くはない」(多分)
じゃなかったの?
ということで、何故「G4の方がPentium IIIより速い」(多分)なのかというと、G4はRISC型でPentiumIIIはCISC型だから。といっても両者の違いは私自身分かっていませんが、何でもRISCは、単純な命令に分解してそれを高速処理するんだそうです。(と書いてますが、何故単純な命令を高速処理した方が速くなるのか分かっていません)
Intelの石は、もともとが電卓用の4ビットCPUが元祖です。それが発展して来たのでデザイン的に「つぎはぎ」というか、強引な機能拡張と互換性の確保という、まあ「たくましい成り上がり者」みたいなやつで(私は「電卓生まれ」っていうの、好きなんですけど・・・)
一方68000は元々内部は32bitで設計されていて、当時誕生当初だったワークステーションがそろって68000を採用したという優等生だったそうだし、Power PCになってもRISCで設計して、68Kの互換もとったってんですか、スマートらしいです。
ペンチアムなんかCISKなのにRISC的な手法を取り入れて・・・みたいな「ぬえ」的発展をしてるそうです。
まあ、ここらへん「受け売り」(下手したら誤解付き)ですから、眉に唾つけてね、ってとこですが・・・・まあG4は素性がよさそうなんで基本性能はいいんじゃない?ってとこです。
で・も・ね・・・
G4でいちばん気に入らないのは「単体の値段が分からない」ってことです。ペンティアムより数段性能がよくてもお値段も数段お高いのなら当たり前です。
CPUの評価=性能+価格である。
と書きましたが、これは自作機での常識で、マックの場合、(まあG4ボードとかも売ってるみたいだけど)原則、「アップル製品」しか選択誌がないわけで・・・G4単体の値段が分からないけど、分かっても買えるわけじゃなし、買えても自作機作れるわけじゃなし。
どうでもいいじゃん、と不貞腐れた私でございました。ちゃんちゃん。
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でもね〜、G4でいいな〜と思ってるのは「冷却ファンがいらない!」ってことです。
Mac People誌が「ベロシティーエンジンがすごい」とか宣伝してもかえって白けた私ですが、でっかいヒートシンクを乗っけている写真を見て、こっちの方が感動しました。
現行のiMacなんかファンレス設計でしょ。AT互換機なんか強力なファンが前提でグラフィックアクセラレータにまでファンつけて、って世界なんです。クロックアップ戦争ばっかせずに、低電圧戦争とか低発熱戦争とかもして欲しいんだけどな〜。ホント。今の使い方なら今のCPUで十分。まあ今のCPUなら動画処理には悲しいほど非力でしょうから処理速度も上がって欲しいけど、他の要素も大切にね〜。