さ み だ れ 雑 記 | 44 | 2000年3月2日 |
ESTRELLAS DE AREITO / LOS HEROES
(ワーナー・ミュージック・ジャパンWPCR19006/7)
「ミュージックマガジン」だったか「レコードコレクター」だったか忘れましたが、べた褒めされていたので、いちおう注文。しかし、ずいぶんと取り置きのままでほったらかしてあったのですが、いざ期待せずに聴いてみると、やけに軽快で、スペイン語だから何言ってるのか理解不能ではあるのだが
....salsa.......son!
とか聞き取れるじゃないですかあ・・・。いやあ名盤でした。
いつもの癖で分けわかんない書き出しで御座います。
と言ってもキューバ音楽には詳しくないので、「解説」をしろと言われてもできませんが、キューバ音楽です。
ライ・クーダーが絡んだCDも出している、Nonsuchレーベルから出ていますが、表題の「アレイートの星」からも分かるように純キューバ録音。(アレイートとはキューバの現地レーベルって多分国営のはず:ここらへん眉に唾付けて読んで下さい)
どうもサルサ勃興に刺激された、本場キューバのミュージシャンが燃えた!っていうものらしいです。断片的に聞き取れたサルサ云々は、対訳によると
現実に立ち向かえ、という内容でした。ううむ、本家の意地をかけた気合いの演奏。
ソンは相変わらず流行っている。
サルサの噂を聞いたとしても、うそっぱちさ、それはソンって言うんだよ
と、わたし以上にキューバ音楽を知らない人には分け分からないなあ・・
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「ソン」とはキューバ音楽の基本的な形式です。(第一次世界大戦ごろに成立とかいう話)
「サルサ」は60年代後半からニューヨークで勃興した「ニューヨーク・ラテン」。その中心となったのがファニア・レコードで、そのファニア・レコードの看板アーティストを集めて作ったのが「ファニア・オール・スターズ」。このFania
All-Starsの"Live At The Cheeta"は名盤。学生時代よく聞きました。私を「非英語圏」の洋楽(これぞ「死語」!)(「ワールド・ミュージック」なんて言葉は少し後のはず)に導いてくれた記念碑的アルバムです。(多分「サザン・オールスターズ」の名前もこれのパクリと私は思ってます)
ということで、本場のキューバのミュージシャンが、「サルサっていうけど、ありゃソンじゃねえか。俺達が本場の音を聴かせてやるぜ!」という内容でした。
けどまあ、別に「喧嘩売ってる」訳でも「伝統の妙技を見せつける」でもなく、いい刺激を受けて、って感じらしいです。個別のミュージシャンのことは私は詳しくないのですが、解説によるとベテランだけでなく中堅も新人も入れて、斬新な取り組みもしているそうです。
ま、悪口言ったら、Fania All Starsに対抗した「アレイートの星」ですもんね、柳の下のドジョウ。
(ふにゃ。われながら口が悪い・・)
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もう2週間ほど通勤のCDとしてこればっか聴いてますが、キューバ音楽って不思議。
パーカッション群が、低音系、アフリカ系、でリズム
その他の楽器群が、高音系、ヨーロッパ系、でメロディ
と単純に二つに分けたら、これは人種差別になるかも知れませんが、この2つが何か微妙に「溶け合って一つ」と「水と油の二つ」の両端の間を、曲によって右にぶれたり、左にぶれたり、っていうんですか?
何か書いている本人にも、よく分からない表現ですが、何か、アフロとユーロが、遠きキューバの地で「なれ合い」を拒否して、あるいは「調和」し、あるいは「対抗」し、音楽を作り上げているような。
つまり大体リズムが強調されたら、メロディ系って弱まるでしょ。ロックってあんましストリングス使わないけど、ストリングス使ったらリズムは弱まるのが普通だし・・。
ところが、この「アレイートの星」を聴いていると、リズム隊が頑張れば、それに負けじとその他の楽器群も多彩なアレンジというワザを仕掛けてくる、アフロとユーロが壮絶な戦いをっていう大げさなのは数曲ですが。。。何つうか、総天然色。(普通聴いている音楽が渋すぎるという説も一部にはある。)
な〜んかうまく表現できないんですが、とくにピアノの人がヨーロッパしていて、ううむ・・・。まあよかったら聴いてみて下さい。文句無しのノリの曲とか、突如としてムード音楽になる曲とか、多彩です。「グアヒーラ・グアンタナメーラ」という大有名曲もやってます。
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ま、いっちゃん気に入ったのはバイオリン。 このCDには4人ほどバイオリン弾きが参加しているそうで、クレジット見ても当然わたしは知らない人ですが、いいっす。ドン・シュガーケイン・ハリスのファンは買っても多分失望しない、と思います。
ってもドンを知ってる人あんまりいないのよねえ〜。あのDon & DeweyのDonだよ〜!!!
このジャケットを知らねえか? Koko Joeを知らねえか?
え?知ってる?いいねえ、寿司食いねえ。え?でも何でドンがバイオリンだって?
ええい!ひかえおれ、この印籠じゃない、ジャケットが目に入らぬか!泣く子も黙るMothersのイタチ野郎じゃい。ドン先生はだな、このアルバムで、リトル・リチャードのDirectry form my heart to you.でバイオリンとボーカルを担当しておるのじゃ!これがもう素晴らしいのじゃ。最高のバイオリンなのじゃ。これを越えるバイオリンは未だかつて聴いたことがないという、我が偏愛する曲なのでありました。
さてこのアレイートの星は、もちろんドンには及ばないのであるが、しかし、いいよ〜!
しかし上の2枚って、高校生の頃に出会ったのね〜。うう若いころの出会いって強烈なのね。。。。
あ、ついでに蛇足。1枚目だけ異様に評価されている感のある It's A Beautiful
Dayの2枚目、"Marrying Maiden"の、fiddleが大活躍する1曲目が"Don &
Dewey"ってタイトルなの知ってました?
しかし我ながら支離滅裂な展開ではありました。やっぱ根はロックの人だったのね〜。
追記:読者のフクダさんが、ホームページを開設されました。
http://www04.u-page.so-net.ne.jp/kc4/fuku-mac/
です。デザイン綺麗なページです。みなさまもどうぞ。