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14 1999年7月27日

昔の名前で出ています(2)

The Real Calypso Compiled and Annoted By Samuel Charters 1927-1946

とうとう入手しました。
待ちました。

ジャケットなしという寂しさです。
ということでCD−Rの顔です。
カスタムCD−Rです。
6月26日にCD-Rのサービス再開の速報を出しているから、注文して1ヶ月程度で入手したことになります。
やっぱよかったです。
うるうる。
こんな名盤を、なんで正規盤で再発しないんでしょう?売れないのでしょうか?でも、カリプソのリイッシューは現在何故か盛んに出ているのですが・・・。

まあ、音が聞こえるからいいんです。音質もいいです。(SP起こしとして、の話しです)

ああ。

戦前のカリプソでなにはなくともの1枚です。入手するためにはクレジットカードが必要です。わたしクレジットカード使うの初めてです。初めてのクレジットカードの買い物がインターネットでフォークウエーズのCD-Rという人も、このReal Calypsoのおかげで局地的な流行になると信じています。わたしのクレジットカードはレンタルビデオ・CD屋のカードで、レンタルのときも現金払いで、結局クレジットカードとしては使っていませんでした。こんなとこで役に立つとは・・・・。これから、あまりクレジット社会を馬鹿にしないようにします。

 気になるお値段は、CD-R1枚19ドル95セント。それに送料がエアーメイルで11.65ドル。日本円にしていくらになるのか、通帳に記入にいったのですが、その時点ではまだ引き落とされていませんでした。
 

え〜っと、内容の話がぜんぜんですね。ブルースの研究者の第一世代として著名なSamuel Chartersの編纂で66年に出ています。カリプソのリイッシューの嚆矢です。ということは、よりどりみどりの編集が出来たのだと思います。もちろん編者の耳の良さというのもあるんでしょうが、「この曲はあのLPに収録されているから除外して・・・・」ということが全くない編集。どこをどうさがしてもこれに匹敵するコンピレはない。わたし今数えたらカリプソのCD37枚持っていましたがその中で一番だけでなく他のジャンルを入れてもコンピレとしてはこれが一番じゃないのかなあ?
絶賛の嵐をしておいて、ともかく聴いてみてよ、なんですが、戦前のカリプソは、戦後のスパローなんかの細かくリズムを刻むイメージからはだいぶかけ離れています。といっても天下のマイティ・スパローも日本ではそれほど有名じゃないしなあ・・・。

最終的には「優雅さ」でしょうか?大体解説よんだりすると歌詞の風刺性とか書いてますが、そしてそれはたしかにそうみたいですが、歌詞が最大の魅力だったりする音楽なんて異邦人には(日本人のことですが)ちょっとね。面白くて聞き込むほどに英語も部分的に聞き取れるようになって、おいおい歌詞もいいじゃんになるのが理想的で、最初から歌詞カード見つつ聴くなんて野暮。

これ書き出してちょこちょこライナーノーツ読み返してますが、トリニダッド・ドバコの歴史を書いてある箇所をみつけることができなくて困ってますが、まあ、ともかく、フランス、スペインそしてイギリスと転々と植民地の宗主国が変わったみたいで、とりあえず、ヨーロッパ音楽と黒人音楽との混血音楽ということは間違いないんですが・・・。ジャズよりはキューバ音楽に近いですがまた違う独特のものがあります。

 ま、層が薄いってのは否定できない。戦前ものはレーベルはデッカ独占、バックバンドはジェラルド・クラーク楽団が過半数を占めるという・・・。けどこのバンドいいんだよ。全曲この楽団がバックでもかまわないような。ストリングとクラリネットなどの管楽器が中心の構成です。

強いて言葉にすると、優雅な野卑、繊細な無骨、陽気な悲哀、といった言葉が形容矛盾にならない音楽とでもいいましょうか。音楽物を書くときにいつも感じますが、実際聴かなきゃ分からないんだよね〜。

あ、コーラスもので、ハモらないコーラスが大好きな人は絶対おすすめ。ハモらないコーラスとは、例えばレゲーでは,"The Harder They Come"に入っているMelodiansの'River Of Babylon'とか、Memphis Jug
Band の曲とか。合唱なんだが、ハモるという感覚がなくてただ一緒に歌ってる。一人で歌うのもいいけど、一緒に歌うのも楽しいねというような、なんか「根元的なコーラス」。わたし別にビーチ・ボーイズも好きですが、変にテクニックばっかり目立つコーラスって大嫌い。その点カリプソのコーラスってくつろぎます。

とここまで書いて気がついたけどカリプソのよさって「嫌みなとこがない」ってとこかもしれない。うまく言えません。よかったらぜひ聴いてみて下さい、ということで・・・。

なお、続編が81年に出ていたのを初めて知りました。The Real Calypso, Volume Two: Send Your Children To The Orphan Home。つまらない曲はないですが、やはり小粒。お好きな人はどうぞ。

では、また。

         







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