10←  home  →12
11 1999年7月16日

昔の名前で出ていますシリーズ(1)

 え〜LP時代のアルバムのリイッシュー案内シリーズです。例によって不定期。
 

まず、最初。

The Legendary Iry LeJune (Goldband CD-7741)

オリジナル・ジャケットではありません。こんなジャケットです。

知ってる人には説明不要。終わり。

でもいいんですが、やっぱり「それはあんまりだ」ということで・・・。わたしがケイジャンという音楽の存在を知ったのは、遙か過去の高校時代、Fairport Convention の"Unhalfbricking"の中の"Cajun Woman"が最初だったと思う。と書けばわたしの年などばれてしまうが、うちのページの正規読者はみんな知っているからかまわないのだった。
常識がないのが高校生の特性であるからして、当時のわたしも、ルイジアナがフライスのルイ、あれ何世かしらんぞ、ううううう今になっても常識がないわたしなのであった。(この程度は常識じゃなくて教養よねぇ・・・)
え〜っと、まあ、ニューオーリンズはフランスの「オルレアン」(でしたよね)の新しいとこ。うっ、日本語じゃない。けどわかりますよねえ。イギリスにヨークというとこがあって、アメリカのニューヨークはそれにちなんだ名前である。アメリカのNew Orleans はフランスのOrleansにちなんだ名前である(フランスでもOrleansと綴るのかどうかよく知らないのだが・・・ネットの情報は信じないように・・あれ?そんなんでいいの)

げっ。今回、日本語がとっても変。えへん。しきり直し。

 そもそも、Cajun音楽とは、ルイジアナを中心としたフランス人コミュニティの音楽です。フィドル(わたしの正規読者にフィドルがバイオリンのことだという説明は不要だと思うのだが念のため)、アコーディオンがメインの楽器になります。Fairport Covention のアルバムに、Dylanの”If You Gatta Go" 入っていますが、これがまた、ケイジャン風アレンジでフィドル+アコーディオン。しかも、フランス語に訳してる。"Si Tu Dois Partie"。今聞き返しながら書いてますが、初々しいです。("Cajun Woman"よりケイジャンっぽい。)

 このLPは、大学時代にたしか大阪のサカネ楽器で見つけたんだと思います。中村とうようの文章で名前を知ってたんでしょう。とうようはフランス式に「イリ・ルジュン」とか表記していると思いますが、わたしは勝手に「アイリィ・レジュン」とか英語風に読んでます。

やっとIry LeJuneの話になった。やれやれ。といっても、アルバムの解説に書いてある程度しかわたしも知りません。それによると、1928年生まれで、ほとんと視力がない。レコードデビューは18歳、1947年のこと。マイナーレーベルのGoldbandレコード。それから交通事故で 54年26歳で死亡するまで約26曲をレコーディングしています。そのうち24曲がこのCDに収録されています。

Iry LeJuneはアコーディオンの名手と言われていますが、わたしにとっては何よりもそのボーカル。解説に"crying style vocals"と表現されていますが、その「泣く」というか「叫ぶ」というかどちらのcryingでもあるような独特のボーカル。これは唯一無二。
 いわゆる美声では全くありません。悪声ですが、すごいパワフルで・・・。まあ、騙されたと思って一度聴いてみて、といいたくなる声です。けど、好みってあるから・・・。例えばSonny Boy Williamson K(Rice Miller), Elmore James とか岡本文弥が好きな人なら絶対おすすめ。

音楽的には、編成はアコーディオン、フィドル、ベース、ドラムぐらい。民族音楽の現地録音というか、ケイジャン界のパンクというか、けっこう荒い演奏です。そこがまたいいんですが・・・。

やっぱり音楽って、実際聴かなくちゃ話にならない。ね。
もし、このCD聴いて病みつきになって、他のケイジャン買っても失望するのでは? そんだけこの人唯一無二の人です。

なお、ほとんど聴いていないので詳しいことは知らないのですが、最近のCajunはどうもZadicoと呼ばれることも多いらしいです。ZadicoとはもともとCajunの黒人版です。Fairport Conventionの"Cajun Woman"はCajunというより、むしろZadicoといった方がいいような・・・。
 
 

次はあっさりと。

From 'Bam-Bam To 'Cherry Oh! Baby' (JMC 200.101)
 
 

  これは日本では、たしかトリオから出てたはず。

 上のジャケットがCD版。その右上にあるのがLP時代のジャケットです。それを拡大したのが、下。「見たことある!」って人もいらっしゃるかも。
 
 これは名盤とは言えない。佳盤です。知っている人が、あ、CDでも出てたのって喜んで、CD屋さんに注文に走ればそれで十分という、このコーナーにふさわしいアルバムです。日本盤が過去に出ていた分Iry LeJuneより有名かな?ま、音楽的には初期のレゲーというかスカ/ロックステディからレゲーへの移行期というかそんな音です。詳しく言うと1966年から1972年までのJamaican Festivalという催しでNo.1になった曲を集めたものです。全10曲(淋しい)。その時期の最強のコンピレ、"The Harder They Come"が死にそうに好きな人が、次に買うコンピレといった位置づけでしょうか?
 
 これ聞き返して、やっぱ、レゲーって、Wailers以前よねって思いました。(ファンの方々にはすみませんですが) それにしても、Maytalsのすごさを再確認。10曲中3曲が彼ら。Wailersファンも、もし聴いてなかったらMaytals 聴いてみてください。いいんだから。
 あ、知っている人は知っている、分かる人には分かることだから、言わなくてもいいようなものの、"Cherry Oh! Baby"はStonesが"Black And Blue"でカバーした曲のオリジナルです。By Eric Donaldson.蛇足でした。


 

ところで、CGIの動作確認を自分のマシンでしてたら、IEのアンダーバーに「イントラネットゾーン」って表示されているのに初めて気がつきました。そーか、わしはもうイントラネットを構築してしまったのか・・・どこが?。

         


10←  home  →12